伊勢物語翻字 by 片島諒

伊勢物語各種影印本の翻字を行います

2017-03-01から1ヶ月間の記事一覧

②宮内庁書陵部蔵冷泉為和筆本・第四十三段《ほとゝきすなかなくさとのあまたあれは》

【宮内庁書陵部蔵冷泉為和筆本】P65~66 ③むかしかやのみこと申すみこおはし 賀陽親王桓武第七母夫人多治比氏三品治部卿 貞觀十三年十月八日薨七十八 ④ましけりそのみこ女をおほしめして ⑤いとかしこうめくみつかうたまひける ⑥を人なまめきてありけるを我の…

②宮内庁書陵部蔵冷泉為和筆本・第四十二段《いてゝこしあとたにいまたかはらしを》

【宮内庁書陵部蔵冷泉為和筆本】P64~65 ③昔おとこ色このみとしる\/女をあひ ④いへりけりされとにくゝはたあらさり ⑤けりしは\/いきけれと猶いとうし ⑥ろめたくさりとていかてはたえある ⑦ましかりけりなをはたえあらさり ⑧けるなかなりけれはふつかみか…

②宮内庁書陵部蔵冷泉為和筆本・第四十一段《むらさきの色こき時はめもはるに》

【宮内庁書陵部蔵冷泉為和筆本】P62~64 ⑦昔女はらからふたりありけり ⑧ひとりはいやしきおとこのまつしき ⑨ひとりはあてなるおとこもたりけり ⑩いやしきおとこもたるしはすのつこ _____________________ ①もりにうへのきぬをあらひて…

②宮内庁書陵部蔵冷泉為和筆本・第四十段《いてゝいなは誰か別のかたからん》

【宮内庁書陵部蔵冷泉為和筆本】P60~62 ③昔わかきおとこけしうはあらぬ女 ④を思ひけりさかしらするおやあ ⑤りて思ひもそつくとてこの女をほ ⑥かへをひやらむとすさこそいへまた ⑦をいやらす人のこなれはまた心 ⑧いきおひなかりけれはとゝむるいき ⑨おひなし…

②宮内庁書陵部蔵冷泉為和筆本・第三十九段《いてゝいなはかきりなるへみともしけち》

【宮内庁書陵部蔵冷泉為和筆本】P57~60 淳和天皇 ⑧むかし西院のみ✼■とゝ申すみかとお ⑨はしましけりそのみかとのみこ 崇子内親王母橘舩子正四上清野女承和十五年五月十五日薨 ⑩たかいこと申すいまそかりけり _____________________ ①…

②宮内庁書陵部蔵冷泉為和筆本・第三十八段《君により思ならひぬ㔺中の》

【宮内庁書陵部蔵冷泉為和筆本】P56~57 ⑩むかしきのありつねかりいきたるに _____________________ ①ありきてをそくきけるによみて ②やりける ③ 君により思ならひぬ㔺中の ④ 人はこれをやこひといふらん ⑤返し ⑥ ならはねは㔺の人こと…

②宮内庁書陵部蔵冷泉為和筆本・第三十七段《我ならてしたひもとくなあさかほの》

【宮内庁書陵部蔵冷泉為和筆本】P56 ③昔おとこ色このみなりける女に ④あへりけりうしろめたくや思けん ⑤ 我ならてしたひもとくなあさかほの ⑥ ゆふかけまたぬ花にはありとも ⑦返し ⑧ ふたりしてむすひしひもをひとりして ⑨ あひ見るまてはとかしとそ思━━━━━━…

②宮内庁書陵部蔵冷泉為和筆本・第三十六段《谷せはみ峯まてはへる玉かつら》

【宮内庁書陵部蔵冷泉為和筆本】P55~56 ⑨昔わすれぬるなめりとゝひことしける ⑩女のもとに _____________________ ① 谷せはみ峯まてはへる玉かつら ② たえむと人にわかおもはなくに━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━ 【学習院大学蔵伝…

②宮内庁書陵部蔵冷泉為和筆本・第三十五段《玉のをゝあはおによりてむすへれは》

【宮内庁書陵部蔵冷泉為和筆本】P55 ⑥むかし心にもあらてたえたる人のもとに ⑦ 玉のをゝあはおによりてむすへれは ⑧ たえてのゝちもあはむとそ思━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━ 【学習院大学蔵伝定家筆本】28丁表 ⑥むかし心にもあらてたえたる人のもとに ⑦…

②宮内庁書陵部蔵冷泉為和筆本・第三十四段《いへはえにいはねはむねにさはかれて》

【宮内庁書陵部蔵冷泉為和筆本】P55 ②むかしおとこつれなかりける人のもとに ③ いへはえにいはねはむねにさはかれて ④ 心ひとつになけくころ哉 ⑤おもなく[て]いへるなるへし━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━ 【学習院大学蔵伝定家筆本】28丁表 ②むかしおと…

②宮内庁書陵部蔵冷泉為和筆本・第三十三段《あしへよりみちくるしほのいやましに》

【宮内庁書陵部蔵冷泉為和筆本】P54~55 ③むかしおとこつのくにむはらのこほりに ④かよひける女このたひいきては又は ⑤こしとおもへるけしきなれはおとこ [上句] [万葉] ⑥ あしへよりみちくるしほのいやましに ⑦ 君に心を思ます哉 ⑧返し ⑨ こもり江に思…

②宮内庁書陵部蔵冷泉為和筆本・第三十二段《いにしへのしつのをたまきくりかへし》

【宮内庁書陵部蔵冷泉為和筆本】P53~54 ③むかし物いひける女に年ころありて [古今] [無作者] ④ いにしへのしつのをたまきくりかへし ⑤ むかしを今になすよしも哉 ⑥といへりけれとなにともおもはすやありけん━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━ 【学習院大…

②宮内庁書陵部蔵冷泉為和筆本・第三十一段《つみもなき人をうけへは忘草》

【宮内庁書陵部蔵冷泉為和筆本】P53 ②昔宮の内にてあるこたちのつほねの ③まへをわたりけるになにのあた ④にか思けんよしやくさ葉よならん ⑤さか見むといふおとこ ⑥ つみもなき人をうけへは忘草 ⑦ をのかうへにそおふといふなる ⑧といふをねたむ女もありけり…

②宮内庁書陵部蔵冷泉為和筆本・第三十段《あふことはたまのを許おもほえて》

【宮内庁書陵部蔵冷泉為和筆本】P52~53 ⑧むかしおとこはつかなりける女のもとに ⑨ あふことはたまのを許おもほえて _____________________ ① つらき心のなかく見ゆらん━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━ 【学習院大学蔵伝定家筆本】26丁…

②宮内庁書陵部蔵冷泉為和筆本・第二十九段《花にあかぬなけきはいつもせしものを》

【宮内庁書陵部蔵冷泉為和筆本】P52~53 _____________________ 貞觀十一年二月貞明親王為皇太子于時髙子為女御 依春宮母儀号也去年十二月卄六日誕生髙子年卄七 ①むかし春宮の女御の御方の花の ②賀にめしあつけられたりけるに [新古今…

②宮内庁書陵部蔵冷泉為和筆本・第二十八段《なとてかくあふこかたみになりにけん》

【宮内庁書陵部蔵冷泉為和筆本】P52 ①昔いろこのみなりける女いてゝいにけれは ② なとてかくあふこかたみになりにけん ③ 水もらさしとむすひしものを━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━ 【学習院大学蔵伝定家筆本】26丁裏 ①昔いろこのみなりける女いてゝいにけ…

②宮内庁書陵部蔵冷泉為和筆本・第二十七段《我許物思人は又もあらし》

【宮内庁書陵部蔵冷泉為和筆本】P51 ②昔おとこ女のもとにひと夜いきて ③又もいかすなりにけれは女の手 ④あらふ所にぬきすをうちやりて ⑤たらひのかけに見えけるをみつから ⑥ 我許物思人は又もあらし ⑦ とおもへは水のしたにも有けり ⑧とよむをこさりけるおと…

②宮内庁書陵部蔵冷泉為和筆本・第二十六段《おもほえす袖にみなとのさはく哉》

【宮内庁書陵部蔵冷泉為和筆本】P50~51 ⑦むかしおとこ五條わたりなりける ⑧女をえゝすなりにけることゝわひ ⑨たりける人の返ことに [新古今] [一本なみた] [らし] ⑩ おもほえす袖にみなとのさはく哉 _____________________ ① も…

②宮内庁書陵部蔵冷泉為和筆本・第二十五段《秋のゝにさゝわけしあさの袖よりも》

【宮内庁書陵部蔵冷泉為和筆本】P49~50 ⑨むかしおとこ有けりあはしともいは ⑩さりける女のさすかなりけるかもとに _____________________ ①いひやりける [古今] ② 秋のゝにさゝわけしあさの袖よりも ③ あはてぬる夜そひちまさりける…

②宮内庁書陵部蔵冷泉為和筆本・第二十四段《あらたまの年の三とせをまちわひて》

【宮内庁書陵部蔵冷泉為和筆本】P47~49 ③むかしおとこかたゐなかにすみけり ④おとこ宮つかへしにとてわかれお ⑤しみてゆきにけるまゝに三とせ ⑥こさりけれはまちわひたりけるに ⑦いとねむころにいひける人にこよひ ⑧あはむとちきりたりけるにこの ⑨おとこき…

②宮内庁書陵部蔵冷泉為和筆本・第二十三段《つゝゐつのゐつゝにかけしまろかたけ》

【宮内庁書陵部蔵冷泉為和筆本】P42~47 ⑤むかしゐなかわたらひしける人 ⑥の子とも井のもとにいてゝあそひ ⑦けるをおとなになりにけれは ⑧✼[おとこも女も]はちかはしてありけれとおとこは ⑨この女をこそえめとおもふ女は ⑩このおとこをとおもひつゝおやの …

②宮内庁書陵部蔵冷泉為和筆本・第二十二段《うきなから人をはえしもわすれねは》

【宮内庁書陵部蔵冷泉為和筆本】P40~42 ⑥むかしはかなくてたえにける ⑦なか猶やわすれさりけん女の ⑧もとより ⑨ うきなから人をはえしもわすれねは _____________________ [新古今] ① かつうらみつゝ猶そこひしき ②といへりけれはさ…

②宮内庁書陵部蔵冷泉為和筆本・第二十一段《いてゝいなは心かるしといひやせん》

【宮内庁書陵部蔵冷泉為和筆本】P36~40 ⑨むかしおとこ女いとかしこく思ひ _____________________ ①かはしてこと心なかりけりさるを ②いかなる事かありけむいさゝかなる ③ことにつけて㔺中をうしと思ひ ④ていてゝいなんと思ひてかゝる…

②宮内庁書陵部蔵冷泉為和筆本・第二十段《君かためたおれる枝は春なから》

【宮内庁書陵部蔵冷泉為和筆本】P35~36 ⑥むかしおとこやまとにある女を ⑦見てよはひてあひにけりさて ⑧ほとへて宮つかへする人なりけ ⑨れはかへりくるみちにやよひはかりに _____________________ ①かえてのもみちのいとおもしろき ②…

②宮内庁書陵部蔵冷泉為和筆本・第十九段《あま雲のよそにも人のなりゆくか》

【宮内庁書陵部蔵冷泉為和筆本】P35~35 ③昔おとこ宮つかへしける女の方に ④こたちなりける人をあひしりたり ⑤けるほともなくかれにけりおなし ⑥ところなれは女のめには見ゆる物 ⑦からおとこはある物かとも思たらす ⑧女 [古今] ⑨ あま雲のよそにも人のなり…

②宮内庁書陵部蔵冷泉為和筆本・第十八段《紅にゝほふはいつら白雪の》

【宮内庁書陵部蔵冷泉為和筆本】P33~34 ③むかしなま心ある女ありけりお ④とこちかう有けり女うたよむ人 ⑤なりけれは心見むとてきくの花の ⑥うつろへるをゝりておとこのもとへやる ⑦ 紅にゝほふはいつら白雪の ⑧ 枝もとをゝにふるかとも見ゆ ⑨おとこしらすよ…

②宮内庁書陵部蔵冷泉為和筆本・第十七段《あたなりとなにこそたてれ櫻花》

【宮内庁書陵部蔵冷泉為和筆本】P32~33 ④年ころをとつれさりける人のさ ⑤くらのさかりに見にきたりけれは ⑥あるし [古今] ⑦ あたなりとなにこそたてれ櫻花 ⑧ 年にまれなる人もまちけり ⑨返し _____________________ [古今] ① けふ…

②宮内庁書陵部蔵冷泉為和筆本・第十六段《手をゝりてあひ見し事をかそふれは》

【宮内庁書陵部蔵冷泉為和筆本】P29~32 _____________________ ①むかしきのありつねといふ人有けり ②三㔺のみかとにつかうまつりて時に ③あひけれとのちは㔺かはり時うつり ④にけれは㔺のつねの人のこともあらす ⑤人からは心うつくし…

②宮内庁書陵部蔵冷泉為和筆本・第十五段《しのふ山しのひてかよふ道も哉》

【宮内庁書陵部蔵冷泉為和筆本】P28 _____________________ ①むかしみちのくにゝてなてふことな ②き人のめにかよひけるにあやしう ③さやうにてあるへき女ともあらす ④見えけれは ⑤ しのふ山しのひてかよふ道も哉 ⑥ 人の心のおくも見る…

②宮内庁書陵部蔵冷泉為和筆本・第十四段《中\/に恋にしなすはくはこにそ》

【宮内庁書陵部蔵冷泉為和筆本】P26~27 ②むかしおとこみちのくにゝすゝろに ③ゆきいたりにけりそこなる女亰の ④ひとはめつらかにやおほえけん ⑤せちにおもへる心なんありけるさて ⑥かの女 桒子 蠒也 ⑦ 中\/に恋にしなすはくはこにそ ⑧ なるへかりけるたま…