伊勢物語翻字 by 片島諒

伊勢物語各種影印本の翻字を行います

伝尊鎮親王筆本

④伝青蓮院尊鎮親王筆本・第七段《いとゝしく過ゆく方のこひしきに》

【伝尊鎮親王筆本】P9~10 ⑧むかしおとこありけり京にありわひてあつまに ⑨いきけるに伊勢おはりのあはひのうみつらをゆく _____________________ ①になみのいとしろくたつを見て ② いとゝしく過ゆく方のこひしきに ③ うらやましくもか…

④伝青蓮院尊鎮親王筆本・第六段《しら玉かなにそと人のとひしとき》

【伝尊鎮親王筆本】P7〜9 ③むかしおとこありけり女のえうましかりけるを年 ④をへてよはひわたりけるをからうしてぬすみ ⑤いてゝいとくらきにきけりあくた河といふかはをゐ ⑥ていきけれはくさのうへにをきたりける露をかれ ⑦はなにそとなむおとこにとひけるゆ…

④伝青蓮院尊鎮親王筆本・第五段《人しれぬ我かよひちの関もりは》

【伝尊鎮親王筆本】P5~7 ⑧むかしおとこ有けりひんかしの五条わたりにいと ⑨しのひていきけりみそかなるところなれはかとよりも _____________________ ①えいらてわらはへのふみあけたるつい[ひ]ちのくつ ②れよりかよひけりひとしけ…

④伝青蓮院尊鎮親王筆本・第四段《月やあらぬ春やむかしのはるならぬ》

【伝尊鎮親王筆本】P4~5 ④むかしひんかしの五条におほきさいの宮おはしまし ⑤けるにしのたいにすむ人ありけりそれをほい ⑥にはあらて心さしふかゝりける人ゆきとふらひける ⑦をむ月の十日はかりのほとにほかにかくれにけりあり ⑧ところはきけと人のいきかよ…

④伝青蓮院尊鎮親王筆本・第三段《思ひあらはむくらのやとにねもしなむ》

【伝尊鎮親王筆本】P3~4 ⑦昔おとこありけりけさうしける女のもとにひ ⑧しきもといふ物をやるとて ⑨ 思ひあらはむくらのやとにねもしなむ _____________________ ① ひしきものにはそてをしつゝも ②二条のきさきのまたみかとにもつかう…

④伝青蓮院尊鎮親王筆本・第二段《おきもせすねもせてよるをあかしては》

【伝青蓮院尊鎮親王筆本】P2~3 ⑦むかしおとこありけりならの京ははなれこの京は ⑧人のいゑまたさたまらさりける時ににしの京に ⑨女ありけりその女㔺人にはまされりけりその _____________________ ①人かたちよりは心なむまさりたりけ…

④伝青蓮院尊鎮親王筆本・第一段《かすか野のわかむらさきのすりころも》

【伝尊鎮親王筆本】P1~2 _____________________ ①むかしおとこうゐかうふりしてならの京かすかの ②さとにしるよししてかりにいにけりそのさとにいと ③なまめいたるをむなはらからすみけりこのおとこ ④かいまみてけりおもほえすふるさ…

④伝青蓮院尊鎮親王筆本について

伝青蓮院尊鎮親王筆本は山田清市氏によって武田本系の善本とされる写本。尊鎮親王(1504~1550年)は後柏原天皇の皇子で天台座主も務めた人。父後柏原天皇が定家筆武田本を書写した一次写本の後柏原天皇宸筆本をさらに書写した二次写本がこの本とのこと。静嘉…