④伝青蓮院尊鎮親王筆本・第八十七段《あしのやのなたのしほやきいとまなみ》
【伝青蓮院尊鎮親王筆本】P110〜114
②昔男つのくにむはらのこほりあしやのさとにしる
③よししていきてすみけりむかしのうたに
④ あしのやのなたのしほやきいとまなみ
⑤ つけのをくしもさゝすきにけり
⑥とよみけるそこのさとをよみけるこゝをなむあしや
⑦のなたとはいひけるこのおとこなま宮つかへしけれは
⑧それをたよりにてゑふのすけともあつまりきにけり
⑨このおとこのこのかみもゑふのかみなりけりその
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①いへのまへの海のほとりにあそひありきていさこの
②山のかみにありといふ布ひきの瀧みにのほらむと
③いひてのほりてみるにそのたき物よりことなりなか
④さ二十丈ひろさ五丈はかりなるいしのおもてにしら
⑤きぬにいはをつゝめらむやうになむありけるさるた
⑥きのかみにわらうたのおほきさしてさし出たる石あ
⑦りその石のうへにはしりかける水はせうかうしくりのお
⑧ほきさにてこほれおつそこなる人にみなたきの
⑨うたよますかのゑふのかみまつよむ
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① わか世をはけふかあすかとまつかひの
② なみたのたきといつれたかけむ
③あるしつきによむ
④ ぬきみたる人こそあるらししら玉の
⑤ まなくもちるかそてのせはきに
⑥とよめりけれはかたへの人わらふ事にやありけむこ
⑦のうたにめてゝやみにけりかへりくる道とをくてうせ
⑧にし宮内卿もちよしか家のまへくるに日くれぬやとり
［イ無］
⑨のかたをみやれはあまのいさりする火おほく見ゆる
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①にかのあるしのおとこよむ
② はるゝ夜のほしか河邉のほたるかも
［のイ］
③ わかすむかたにあまのたく火か
④とよみて家にかへりきぬその夜みなみの風ふき
⑤てなみいとたかしつとめてその家のめのこともいてゝ
⑥うきみるの浪によせられたるひろひていへのうちに
⑦もてきぬ女かたよりそのみるをたかつきにもりて
⑧かしはをおほひていたしたるかしはにかけり
⑨ わたつうみのかさしにさすといはふもゝ
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① きみかためにはおしまさりけり
②ゐなかひとのうたにてはあまれりやたらすや
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【学習院大学蔵伝定家筆本】66丁表〜68丁裏
②むかしおとこ津のくにむはらのこほり
③あしやのさとにしるよしゝていきて
④すみけりむかしのうたに
［新古今］
⑤ あしのやのなたのしほやきいとまなみ
⑥ つけのをくしもさゝすきにけり
⑦とよみけるそこのさとをよみける
⑧こゝをなむあしやのなたとはいひ
⑨けるこのおとこなまみやつかへしけれは
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［ふイ］
①それをたよりにてゑうのすけとも
②あつまりきにけりこのおとこのこの
③かみもゑふのかみなりけりその家
④のまへの海のほとりにあそひありき
⑤ていさこの山のかみにありといふ
⑥ぬのひきのたき見にのほらんといひ
⑦てのほりて見るにそのたき物より
⑧こと也なかさ二十丈ひろさ五丈許
⑨なるいしのおもてしらきぬに
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①いはをつゝめらんやうになむあり
②けるさるたきのかみにわらうたの
③おほきさしてさしいてたるいしあり
④そのいしのうへにはしりかゝる水は
⑤せうかうしくりのおほきさにてこほれ
⑥おつそこなる人にみなたきの哥
⑦よますかのゑふのかみまつよむ
［新古今］
⑧ わか㔺をはけふかあすかとまつかひの
⑨ なみたのたきといつれたかけん
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①あるしつきによむ
② ぬきみたる人こそあるらし白玉の
③ まなくもちるかそてのせはきに
④とよめりけれはかたへの人わらふ
⑤ことにや有けんこの哥にめてゝやみにけり
⑥かへりくるみちとをくてうせにし宮内
⑦卿もちよしか家のまへくるに日
⑧くれぬやとりの方を見やれはあまの
［するイ］
⑨いさり火おほく見ゆるにかのあるし
のおとこよむ
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［新古今］
① はるゝ夜のほしか河邉の螢かも
［にイ］
② わかすむかたのあまのたく火か
③とよみて家にかへりきぬその夜
④南の風ふきて浪いとたかしつとめて
⑤その家のめのこともいてゝうきみるの
⑥なみによせられたるひろひていゑの内に
⑦もてきぬ女かたよりそのみるをたかつ
⑧きにもりてかしはをおほひて
⑨いたしたるかしはにかけり
⑩ 渡つ海のかさしにさすといはふもゝ
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① きみかためにはおしまさりけり
②ゐなか人のうたにてはあまれりや
③たらすや
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【静嘉堂文庫本】P125～129
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①昔男つのくにむはらのこほりあしやのさとに
②しるよしゝていきてすみけりむかしのうたに
③ あしのやのなたのしほやきいとまなみ
④ つけのをくしもさゝすきにけり
⑤とよみけるそこのさとをよみけるこゝをなむ
⑥あしやのなたとはいひけるこのおとこなまみ
⑦やつかへしけれはそれをたよりにてゑふ
⑧のすけともあつまりきにけりこのおとこの
⑨このかみもゑふのかみなりけりそのいへの
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①まへの海のほとりにあそひありきていさ
②この山のかみにありといふぬのひきのたき
③見にのほらむといひてのほりて見るに
④そのたき物よりことなりなかさ二十丈ひろ
［イ無］
⑤さ五丈はかりなるいしのおもてにしらき
⑥ぬにいはをつゝめらむやうになむありける
⑦さるたきのかみにわらうたのおほきさして
⑧さしいてたるいしありそのいしのうへに
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①はしりかゝる水はせうかうしくりのおほき
②さにてこほれおつそこなる人にみな
③たきのうたよますかのゑふのかみまつよむ
④ わか㔺をはけふかあすかとまつかひの
⑤ 淚のたきといつれたかけむ
⑥あるしつきによむ
⑦ ぬきみたる人こそあるらしゝらたまの
⑧ まなくもちるかそてのせはきに
⑨とよめりけれはかたへの人わらふ事にやあり
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①けむこのうたにめてゝやみにけりかへりくる
②みちとをくてうせにし宮内卿もちよしか
③家のまへくるに日くれぬやとりのかたを見
［イ無］
④やれはあまのいさりする火おほく見ゆる
⑤にかのあるしのおとこよむ
⑥ はるゝ夜のほしか河邉のほたるかも
［のイ］
⑦ わかすむ方にあまのたく火か
⑧とよみて家にかへりきぬその夜みなみの
⑨かせふきてなみいとたかしつとめてその
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①家のめのこともいてゝうきみるの浪によせ
②られたるひろひていへのうちにもてきぬ女
③かたよりそのみるをたかつきにもりてか
④しはをおほひていたしたるかしはにかけり
⑤ わたつうみのかさしにさすといはふもゝ
⑥ きみかためにはおしまさりけり
⑦ゐなかひとのうたにてはあまれりやたらすや
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《異同㈠》
A.尊鎮親王筆本P111④………いしのおもてに
学習院大蔵本66丁裏⑨……いしのおもて
［イ無］
静嘉堂文庫本P126⑤………いしのおもてに
［いしのおもて━━天学習・天河野・天冷泉・天細川
いしのおもてに━━武静嘉・武尊鎮・根九家・根理家・根千葉・根文暦・根為相・根承久・根良経・根智蘊・定嵯峨・大為氏・大谷森・大阿波・塗民局・非藤房・非通具・参為家］
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［イ無］
B.尊鎮親王筆本P112⑨………あまのいさりする火
［するイ］
学習院大蔵本67丁裏⑨……あまのいさり火
［イ無］
静嘉堂文庫本P128④………あまのいさりする火
［いさり火━━天学習・天河野・天冷泉・天細川
いさりする火━━武静嘉・武尊鎮・定嵯峨・根良経・根理家・根千葉・根文暦・根智蘊・根九家・根為相・根承久・大為氏・塗民局・参為家・非通具・非藤房
いさりする━━大谷森・大阿波］
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［のイ］
C.尊鎮親王筆本P113③………わかすむかたに
［にイ］
学習院大蔵本68丁表②……わかすむかたの
［のイ］
静嘉堂文庫本P128⑦………わかすむ方に
［かたの━━天学習・天河野・天冷泉・天細川・定嵯峨・根良経・根理家・根千葉・根文暦・根智蘊・根九家・根為相・根承久・大為氏・大谷森・大阿波・塗民局・参為家・非通具・非藤房
かたに━━武静嘉・武尊鎮］
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《異同㈡》
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《異同㈢》
A.尊鎮親王筆本P110⑧………ゑふのすけ
［ふイ］
学習院大蔵本66丁裏①……ゑうのすけ
静嘉堂文庫本P125⑦………ゑふのすけ
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B.尊鎮親王筆本P113⑥………いへのうちに
学習院大蔵本68丁表⑥……いゑの内に
静嘉堂文庫本P129②………いへのうちに
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河野美術館蔵三条西実隆筆本第87段
http://nobinyanmikeko.hatenadiary.com/entry/2016/11/01/224051
宮内庁書陵部蔵冷泉為和筆本第87段
http://nobinyanmikeko.hatenadiary.com/entry/2017/04/05/220340
九州大学図書館蔵伝三条西実隆筆細川文庫本第87段
http://nobinyanmikeko.hatenadiary.com/entry/2017/04/30/024143
九州大学図書館蔵伝藤原為家筆細川文庫本第87段
http://nobinyanmikeko.hatenadiary.com/entry/2017/10/31/192448
