伊勢物語翻字 by 片島諒

伊勢物語各種影印本の翻字を行います

2017-07-01から1ヶ月間の記事一覧

④伝青蓮院尊鎮親王筆本・第百二十二段《山しろのゐてのたま水手にむすひ》

【伝青蓮院尊鎮親王筆本】P141 ②むかし男ちきれる事あやまれる人に ③ 山しろのゐてのたま水手にむすひ ④ たのみしかひもなき世なりけり ⑤といひやれといらへもせす━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━ 【学習院大学蔵伝定家筆本】83丁裏 ___________…

④伝青蓮院尊鎮親王筆本・第百二十一段《うくひすの花をぬふてふかさもかな》

【伝尊鎮親王筆本】P140~141 ④むかしおとこ梅壷よりあめにぬれて人のまか ⑤りいつるを見て ⑥ うくひすの花をぬふてふかさもかな ⑦ ぬるめる人にきせてかへさむ ⑧返し ⑨ うくひすの花をぬふてふかさはいな _____________________ ① 思…

④伝青蓮院尊鎮親王筆本・第百二十段《近江なるつくまのまつりとくせなむ》

【伝尊鎮親王筆本】P139~140 ⑨むかしおとこ女のまたよへすとおほえたるか人の御 _____________________ ①もとにしのひてものきこえてのち程へて ② 近江なるつくまのまつりとくせなむ ③ つれなき人のなへのかすみむ━━━━━━━━━━━━━━━━━━━…

④伝青蓮院尊鎮親王筆本・第百十九段《かたみこそ今はあたなれこれなくは》

【伝尊鎮親王筆本】P139 ⑤むかし女のあたなるおとこのかたみとてをきた ⑥る物ともを見て ⑦ かたみこそ今はあたなれこれなくは ⑧ わするゝときもあらましものを━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━ 【学習院大学蔵伝定家筆本】82丁裏 ③むかし女のあたなるおとこ…

④伝青蓮院尊鎮親王筆本・第百十八段《玉かつらはふ木あまたになりぬれは》

【伝尊鎮親王筆本】P139 _____________________ ①むかしおとこひさしくをともせてわするゝ心 ②もなしまいりこむといへりけれは ③ 玉かつらはふ木あまたになりぬれは ④ たえぬこゝろのうれしけもなし━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━ 【…

④伝青蓮院尊鎮親王筆本・第百十七段《我みても久しくなりぬ住よしの》

【伝尊鎮親王筆本】P138 ④むかしみかとすみよしに行幸したまひけり ⑤ 我みても久しくなりぬ住よしの ⑥ きしのひめ松いく世へぬらむ ⑦おほむ神けきやうし給て ⑧ むつましと君はしらなみみつかきの ⑨ 久しき世よりいはひそめてき ______________…

④伝青蓮院尊鎮親王筆本・第百十六段《浪まよりみゆるこしまのはまひさし》

【伝尊鎮親王筆本】P137〜138 ⑧昔おとこすゝろにみちのくにまてまとひいにけり京 ⑨に思ふ人にいひやる _____________________ ① 浪まよりみゆるこしまのはまひさし ② 久しくなりぬきみにあひみて ③何事もみなよくなりにけりとなむいひ…

④伝青蓮院尊鎮親王筆本・第百十五段《をきのゐて身をやくよりもかなしきは》

【伝尊鎮親王筆本】P137 ②むかしみちのくにゝて男女すみけりおとこみや ③こへいなむといふこの女いとかなしうてうまのはな ④むけをたにせんとておきのゐて宮こしまと ⑤いふ所にてさけのませてよめる ⑥ をきのゐて身をやくよりもかなしきは ⑦ みやこしまへの…

④伝青蓮院尊鎮親王筆本・第百十四段《おきなさひ人なとかめそかりころも》

【伝尊鎮親王筆本】P136〜137 或本不可有之云々 多本載之不可止 ③むかし仁和のみかとせり河に行かうし給ける時 ④いまはさる事にけなく思ひけれともとつきに ⑤ける事なれはおほたかのたかかひにてさふらはせた 仁和二年十二月十四日行幸芹川 ⑥まひけるすりか…

④伝青蓮院尊鎮親王筆本・第百十三段《なかゝらぬいのちの程にわするゝは》

【伝尊鎮親王筆本】P135~136 ⑨むかしおとこやもめにてゐて _____________________ ① なかゝらぬいのちの程にわするゝは ② いかにみしかきこゝろなるらむ━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━ 【学習院大学蔵伝定家筆本】80丁裏 ④昔おとこ…

④伝青蓮院尊鎮親王筆本・第百十二段《すまのあまのしほやくけふり風をいたみ》

【伝尊鎮親王筆本】P135 [りけイ] ⑤むかしおとこねむころにいひちきれる女のこと ⑥さまになりにけれは ⑦ すまのあまのしほやくけふり風をいたみ ⑧ おもはぬかたにたなひきにけり━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━ 【学習院大学蔵伝定家筆本】80丁表〜80丁裏…

④伝青蓮院尊鎮親王筆本・第百十一段《いにしへや有もやしけむいまそしる》

【伝尊鎮親王筆本】P134〜135 ④むかしおとこやんことなき女のもとになくなりに ⑤けるをとふらふやうにていひやりける ⑥ いにしへや有もやしけむいまそしる ⑦ またみぬ人をこふるものとは ⑧返し ⑨ したひものしるしとするもとけなくに ___________…

④伝青蓮院尊鎮親王筆本・第百十段《思ひあまりいてにしたまのあるならむ》

【伝尊鎮親王筆本】P133~134 ⑨昔おとこみそかにかよふ女ありけりそれかもとより _____________________ ①こよひ夢になむみえ給ひつるといへりけれは男 ② 思ひあまりいてにしたまのあるならむ ③ 夜ふかくみえはたまむすひせよ━━━━━━━━━…

④伝青蓮院尊鎮親王筆本・第百九段《花よりも人こそあたになりにけれ》

【伝尊鎮親王筆本】P133 ⑤むかしおとこともたちの人をうしなへるかもと ⑥にやりける ⑦ 花よりも人こそあたになりにけれ ⑧ いつれをさきにこひむとかみし━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━ 【学習院大学蔵伝定家筆本】79丁裏 ②むかしおとこともたちの人をうし …

④伝青蓮院尊鎮親王筆本・第百八段《風ふけはとはに浪こすいはなれや》

【伝尊鎮親王筆本】P132〜133 ⑧むかし女ひとの心をうらみて ⑨ 風ふけはとはに浪こすいはなれや _____________________ ① わか衣手のかはくときなき ②とつねのことくさにいひけるをきゝおひけるおとこ ③ 夜ゐことにかはつのあまたなく田…

④伝青蓮院尊鎮親王筆本・第百七段《つれ\/のなかめにまさるなみた川》

【伝尊鎮親王筆本】P130〜132 ④昔あてなるおとこ有けりそのおとこのもと ⑤なりける人を内記にありけるふちはらのとし [イ無] ⑥ゆきといふ人よはひけりされとまたわかけれはふ ⑦みもおさ\/しからすことはもいひしらすいはむや [かイ] ⑧うたはよまさりけ…

④伝青蓮院尊鎮親王筆本・第百六段《ちはやふる神㔺もきかすたつた川》

【伝尊鎮親王筆本】P129~130 ⑨むかしおとこみこたちのせうえうし給所にまう _____________________ ①てゝたつたかはのほとりにて ② ちはやふる神㔺もきかすたつた川 ③ からくれなゐに水くゝるとは━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━ 【…

④伝青蓮院尊鎮親王筆本・第百五段《白露はけなはけなゝむ消すとて》

【伝尊鎮親王筆本】P129 ④昔男かくてはしぬへしといひやりたりけれは女 ⑤ 白露はけなはけなゝむ消すとて ⑥ 玉にぬくへき人もあらしを ⑦といへりけれはいとなめしと思ひけれと心さしは ⑧いやまさりけり━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━ 【学習院大学蔵伝定家…

④伝青蓮院尊鎮親王筆本・第百四段《世をうみのあまとし人をみるからに》

【伝尊鎮親王筆本】P128〜129 ⑥昔ことなる事なくてあまになれる人有けりか ⑦たちをやつしたれとものやゆかしかりけむかもの ⑧まつり見にいてたりけるをおとこうたよみてやる ⑨ 世をうみのあまとし人をみるからに _____________________…

④伝青蓮院尊鎮親王筆本・第百三段《ねぬる夜の夢をはかなみまとろめは》

【伝尊鎮親王筆本】P127〜128 ⑧むかしおとこありけりいとまめにしちようにて ⑨あたなる心なかりけりふかくさのみかとになむつか _____________________ ①うまつりける心あやまりやしたりけむみこたち ②のつかひたまひける人をあひいへ…

④伝青蓮院尊鎮親王筆本・第百二段《そむくとてくもにはのらぬものなれと》

【伝尊鎮親王筆本】P126〜127 ⑨むかしおとこ有けりうたはよまさりけれと㔺中を _____________________ ①思ひしりたりけりあてなる女のあまになりて ②世中を思ひうんして京にもあらすはるかなる ③山さとにすみけりもとしそくなりけれは…

④伝青蓮院尊鎮親王筆本・第百一段《さく花のしたにかくるゝ人をおほみ》

【伝尊鎮親王筆本】P125~126 _____________________ 行平 貞觀十二年二月參議五十三 左兵衛督 十四年左衛門督 十五年従三位大宰帥 元慶元年治部卿 六年正月中納言六十五 八年正三位 民部卿 仁和九 按察 ①むかし左兵衛督なりけるありは…

④伝青蓮院尊鎮親王筆本・第百段《わすれ草おふる野へとはみるらめと》

【伝尊鎮親王筆本】P124 ⑤昔男後凉殿のはさまをわたりけれはあるやむ ⑥ことなき人の御つほねより忘れ草をしのふくさ ⑦とやいふとていたさせたまへりけれはたまはりて ⑧ わすれ草おふる野へとはみるらめと ⑨ こはしのふなりのちもたのまむ _________…

④伝青蓮院尊鎮親王筆本・第九十九段《見すもあらす見もせぬ人の恋しくは》

【伝尊鎮親王筆本】P123~124 業平 貞觀六年右少將七年右馬頭 十九年正月左中將 元慶三藏人頭 ⑤むかし右近の馬場のひをりの日むかひにたて ⑥たりける車に女のかほのしたすたれよりほの ⑦かにみえけれは中將なりけるおとこのよみてやりける ⑧ 見すもあらす見…

④伝青蓮院尊鎮親王筆本・第九十八段《わかたのむきみかためにとおるはなは》

【伝尊鎮親王筆本】P122〜123 忠仁公 天安元年二月十九日太政大臣五十五 四月九日従一位 二年十一月摂政 清和外祖 ⑦むかしおほきおほいまうちきみときこゆるおはし ⑧けりつかうまつるおとこなか月はかりにむめのつくり ⑨えたにきしをつけてたてまつるとて _…

④伝青蓮院尊鎮親王筆本・第九十七段《さくら花ちりかひくもれおいらくの》

【伝尊鎮親王筆本】P122 昭宣公貞觀十四年八月卄五日右大臣左近大將卅七 ②むかしほりかはのおほいまうちきみと申いまそかり 貞觀十七年 ③けり四十の賀九条の家にてせられける日中將 ④なりけるおきな 業平十九年任中將 不審 ⑤ さくら花ちりかひくもれおいらく…

④伝青蓮院尊鎮親王筆本・第九十六段《秋かけていひしなからもあらなくに》

【伝尊鎮親王筆本】P119〜122 ⑨昔男ありけり女をとかくいふこと月日へにけりいは _____________________ ①木にしあらねは心くるしとや思ひけむやう\/あは ②れと思ひけりそのころみな月のもちはかりなりけ ③れは女身にかさひとつふた…

④伝青蓮院尊鎮親王筆本・第九十五段《ひこほしにこひはまさりぬあまの河》

【伝尊鎮親王筆本】P119 _____________________ ①昔二条の后につかうまつる男ありけり女の ②つかうまつるをつねに見かはしてよはひわたりけり ③いかてものこしにたいめんしておほつかなく思ひつめた ④ることすこしはるかさむといひけれ…

④伝青蓮院尊鎮親王筆本・第九十四段《秋の夜は春日わするゝものなれや》

【伝尊鎮親王筆本】P117〜118 ⑤昔おとこ有けりいかゝありけむそのおとこすます ⑥なりにけりのちにおとこありけれと子あるなか ⑦なりけれはこまかにこそあらねと時々物いひをこせ ⑧けり女かたにゑかく人なりけれはかきにやれりける ⑨をいまのおとこのものすと…

④伝青蓮院尊鎮親王筆本・第九十三段《あふな\/おもひはすへしなそへなく》

【伝尊鎮親王筆本】P116〜117 ⑧むかしおとこ身はいやしくていとになき人を思ひ ⑨かけたりけりすこしたのみぬへきさまにやありけむ _____________________ ①ふして思ひおきておもひ思ひわひてよめる ② あふな\/おもひはすへしなそへな…