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伊勢物語翻刻 by 片島諒

伊勢物語各種影印本の翻刻を行います

和歌索引~か行・さ行・た行

和歌索引

【か行】

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69段・127
〔河實〕かきくらす心のやみにまとひにき

         [イよひと]
    ゆめうつゝとはこよひさためよ
〔通具〕かきくらす心のやみにまとひにき
    ゆめうつゝとはよひとさためよ
〔大島〕かきくらす心のやみにまとひにき 

         [イこよひさためよ]
    ゆめうつゝとはよ人さためよ

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小式22
〔小式〕かしかましくさはにかゝるむしのねや
    われたに物をいはてこそ思へ

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107段・185
〔河實〕かす\/に思ひおもはすとひかたみ
    身をしる雨はふりそまされる
〔通具〕かす\/におもひおもはすとひかたみ
    身をしるあめはふりそまされる
〔大島〕かす\/に思ひおもはすとひかたみ
    みをしるあめはふりそまされる

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1段・1
〔河實〕かすかのゝわかむらさきのすり衣
    しのふのみたれかきりしられす
〔通具〕かすかのゝわかむらさきのすりころも
    しのふのみたれかきりしられす
〔大島〕かすかのゝわかむらさきのすり衣
    しのふのみたれかきりしられす

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23段・49
〔河實〕風ふけはおきつしら浪たつた山
    夜はにや君かひとりこゆらん
〔通具〕風ふけはおきつしらなみたつた山
    よはにや君かひとりこゆらむ
〔大島〕かせふけはをきつしらなみたつた山
    よはにやきみかひとりゆく覧

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108段・186
〔河實〕風ふけはとはに浪こすいはなれや
    わか衣手のかはく時なき
〔通具〕風ふけはとはになみこすいはなれや
    我衣てのかはくときなき
〔大島〕風ふけはとはになみこすいはなれや
    わかころもてのかはくときなき

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119段・201
〔河實〕かたみこそ今はあたなれこれなくは
    わするゝ時もあらましものを
〔通具〕かたみこそいまはあたなれこれなくは
    わするゝときもあらましものを
〔大島〕かたみこそいまはあたなれこれなくは
    わするゝときもあらまし物を

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69段・128
〔河實〕かち人のわたれとぬれぬえにしあれは
    又あふさかのせきはこえなん
〔通具〕かち人のわたれとぬれぬえにしあれは
    またあふさかのせきはこへなん
〔大島〕かち人のわたれとぬれぬえにしあれは
    またあふさかのせきはこえなん

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小式25
〔小式〕神風やいせのはまをきをりふせて
    たひねやすらむあらきいまへに

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9段・10
〔河實〕から衣きつゝなれにしつましあれは
    はる\/きぬるたひをしそ思
〔通具〕からころもきつゝなれにしつましあれは
     はる\/きぬるたひをしそおもふ
〔大島〕からころもきつゝなれにしつましあれは
    はる\/きぬるたひをしそ思

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82段・147
〔河實〕かりくらしたなはたつめにやとからむ
    あまのかはらに我はきにけり
〔通具〕かりくらしたなはたつめにやとからん
    あまのかはらにわれはきにけり
〔大島〕かりくらしたなはたつめにやとからむ
    あまのかはらにわれはきにけり

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越後10
〔越後〕かりそめにそむる心しまめならは
    なとか雲ゐをたつねさるへき

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68段・125
〔河實〕鴈なきて菊の花さく秋はあれと
    春のうみへにすみよしのはま
〔通具〕かりなきてきくのはなさく秋はあれと
    はるはうみへにすみよしのはま
〔大島〕かきりなきゝくのはなさく秋もあれと
    はるはうみへにすみよしのはま

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67段・124
〔河實〕きのふけふくものたちまひかくろふは
    花のはやしをうしとなりけり
〔通具〕きのふけふくものたちまゐかくろふは
    はなのはやしをうしとなりけり
〔大島〕きのふけふ雲のたちまひかくろふは

   [はなのみやこをみし]
   [春のはやしを]
   [はなのはやしにを]
    はなのはやしをそれとなりけり

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23段・50
〔河實〕君かあたり見つゝをゝらんいこま山
    くもなかくしそ雨はふるとも
〔通具〕君かあたりみつゝをゝらんいこまやま
    雲なかくしそあめはふるとも
〔大島〕君かあたりみつゝをゝらんいこま山
    くもなかくしそあめはふるとも

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20段・34
〔河實〕君かためたおれる枝は春なから
    かくこそ秋のもみちしにけれ
〔通具〕君かためたをれるえたははるなから
    かくこそあきのもみちしにけれ
〔大島〕きみかためたをれるえたは春なから
    かくこそ秋のもみちしにけれ

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23段・51
〔河實〕君こむといひし夜ことにすきぬれは
    たのまぬ物のこひつゝそふる
〔通具〕君こむといひしよことにすきぬれは
    たのまぬものゝこひつゝそぬる
〔大島〕きみこんといひしよことにすきぬれは
    たのまぬ物のこひつゝそふる

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38段・73
〔河實〕君により思ならひぬ㔺中の
    人はこれをやこひといふらん
〔通具〕君によりおもひならひぬよのなかに
    人はこれをやこひといふらん
〔大島〕きみにより思ひならひぬ世の中に
    人はこれをやこひといふらん

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69段・126
〔河實〕きみやこし我やゆきけむおもほえす
    夢かうつゝかねてかさめてか
〔通具〕きみやこしわれやゆきけむおもほえす
    ゆめかうつゝかねてかさめてか
〔大島〕きみやこしわれやゆきけんおもほえす
    ゆめかうつゝかねてかさめてか

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23段・48
〔河實〕くらへこしふりわけかみもかたすきぬ
    きみならすしてたれかあくへき
〔通具〕くらへこしふりわけかみもかたすきぬ
    君ならすしてたれかあくへき
〔大島〕くらへこしふりわけかみもかたすきぬ
    きみならすしてたれかあくへき

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14段・22
   [イわ]  [ね]
〔河實〕くりはらのあれはの松の人ならは
    みやこのつとにいさといはましを
〔通具〕くわはらのあねはのまつの人ならは
    宮このつとにいさといはましを

   [くはゝら あれは] 
〔大島〕くりはらのあねはのまつの人ならは
    みやこのつとにいさといはまし物を

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45段・85
〔河實〕くれかたき夏のひくらしなかむれは
    そのことゝなく物そかなしき
〔通具〕くれかたきなつのひくらしなかむれは
    そのことゝなくものそかなしき
〔大島〕くれかたになつのひくらしなかむれは
    そのことゝなく物そかなしき

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18段・31
〔河實〕紅にゝほふかうへのしらきくは
    おりける人のそてかとも見ゆ
〔通具〕くれなゐにゝほふかうへのしらきくは
    をりける人のそてかともみゆ
〔大島〕くれなゐにゝほふかうへのしらきくは
                 〝ゆき〟
    をりける人のそてかとそみる

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18段・30
〔河實〕紅にゝほふはいつら白雪の
    枝もとをゝにふるかとも見ゆ
〔通具〕くれなゐにゝほふはいつらしらゆきの
    えたもとをゝにふるかともみゆ
〔大島〕くれなゐににほふはいつらしらきくの
      [とをゝ]
    えたもたはゝにふるかともみる

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17段・29
〔河實〕けふこすはあすは雪とそふりなまし
    きえすはありとも花と見ましや
〔通具〕けふこすはあすはゆきとそふりなまし
    きえすはありとはなとみましや
〔大島〕けふこすはあすは雪とそふりなまし
    きえすはありと花とみましや

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越後7・小式32
〔越後〕こゝろをそわりなき物と思ひぬる
    かつみる人やこひしかるらん
〔小式〕こゝろをそわりなき物と思ひぬる
    みるものからやこひしかるへき

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小式20
〔小式〕こぬ人をいまもやくるとまちしまの
    なこりにけふもねられさりけり

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71段・131
〔河實〕こひしくはきても見よかしちはやふる
    神のいさむるみちならなくに
〔通具〕こひしくはきてもみよかしちはやふる
    かみのいさむるみちならなくに
〔大島〕こひしくはきてもみよかしちはやふる
    神もいさむるみちならなくに
〔小式〕こひしくはきてもみよかしちはやふる
    神のいさむるみちならなくに

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111段・192
〔河實〕こひしとはさらにもいはしゝたひもの
    とけむを人はそれとしらなん
〔通具〕こひしとはさらにもいはしゝたひもの
    とけんを人はそれとしらなん
〔大島〕[恋しとはさらにもいはし下ひもの
    とけむを人はそれとしらなん]
✻大島本ではこの歌は丁末の余白に小文字で書き込まれている。

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65段・119
〔河實〕こひせしとみたらし河にせしみそき
    神はうけすもなりにけるかな
〔通具〕こひせしとみたらし河にせしみそき
    神はうけすもなりにけるかな
〔大島〕こひせしとみたらしかはにせしみそき
    神はうけすもなりにけるかな

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57段・103
〔河實〕こひわひぬあまのかるもにやとるてふ
    我から身をもくたきつる哉
〔通具〕こひわひぬあまのかるもにやとるてふ
    われからみをもくたきつるかな
〔大島〕こひわひぬあまのかるもにやとるてふ
    われから身をもくたきつる哉

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33段・67
〔河實〕こもり江に思ふ心をいかてかは
    舟さすさほのさしてしるへき
〔通具〕こもりえにおもふこゝろをいかてかは
    ふねさすさほのさしてしるへき
〔大島〕こもりえに思ふ心をいかてかは
               [へき]
    ふねさすさほのさしてしる覧

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16段・26
〔河實〕これやこのあまのは衣むへしこそ
    きみかみけしとたてまつりけれ
〔通具〕これやこのあまのはころもむへしこそ
    きみかみけしとたてまつりけれ
                   [そ]
〔大島〕これやこのあまのはころもむへしこの
         [とイ] 
    きみかみけしはたてまつりけれ
                〝め〟

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62段・113
〔河實〕これやこの我にあふみをのかれつゝ
    年月ふれとまさりかほなき
〔通具〕これやこのわれにあふみをのかれつゝ
    とし月ふれとまさりかほなみ
〔大島〕これやこのわれにあふみをのかれつゝ
    とし月ふれとまさりかほなみ

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越後3・小式9
〔越後〕ころもたにふたつありせはあかはたの
    山にひとへはかさまし物を
〔小式〕ころもたにふたつありせはあかはたの
    山にひとつはかさまし物を

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【さ行】

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101段・177
〔河實〕さく花のしたにかくるゝ人をおほみ
    ありしにまさるふちのかけかも
〔通具〕さくはなのしたにかくるゝ人おほみ
    ありしみまさるふちのかけかも
〔大島〕さくらはなしたにかくるゝ人をほみ
    ありしにまさるふちのかけかも

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90段・164
〔河實〕さくら花けふこそかくもにほふとも
    あなたのみかたあすのよのこと
〔通具〕さくらはなけふこそかくもにほふらめ
    あなたのみかたあすのよのこと
〔大島〕さくらはなけふこそかくもにほへらめ
    あなたのみかたあすのよのこと

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《さくらはなしたにかくるゝ→さく花の》

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97段・172
〔河實〕さくら花ちりかひくもれおいらくの
    こむといふなるみちまかふかに
〔通具〕[無し]
〔大島〕さくらはなちりかひくもれをひらくの
               [まて]
    こんといふなるみちまよふへく

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60段・109
〔河實〕さ月まつ花たちはなのかをかけは
    むかしの人のそてのかそする
〔通具〕さ月まつはなたち花のかをかけは
    むかしの人のそてのかそする
〔大島〕さ月まつはなたちはなのかをかけは
    むかしの人のそてのかそする

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63段・115
〔河實〕さむしろに衣かたしきこよひもや
    こひしき人にあはてのみねむ
〔通具〕さむしろに衣かたしきこよひもや
    こひしき人にあはてのみねん
〔大島〕さむしろにころもかたしきこよひもや
    こひしき人にあはてのみねん

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小式28
〔小式〕さよふけてなかはたけゆくひさかたの
    月ふきかえせ秋の山風

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65段・121
〔河實〕さりともと思覧こそかなしけれ
    あるにもあらぬ身をしらすして
〔通具〕さりともとおもふらんこそかなしけれ
    あるにもあらぬみをしらすして
〔大島〕さりともとたのむらんこそかなしけれ
    あるにもあらぬ身をしらすして

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111段・191
〔河實〕したひものしるしとするもとけなくに
    かたるかことはこひすそあるへき
〔通具〕したひものしるしとするもとけなくに
    かたるかことはこひすそあるへき
〔大島〕したひものしるしとするもとけなくに
    かたるかことはこひすそあるへき

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8段・9
〔河實〕しなのなるあさまのたけにたつ煙
    をちこち人の見やはとかめぬ
〔通具〕しなのなるあさまのたけにたつけふり
    おちこち人のみやはとかめぬ
〔大島〕しなのなるあさまのたけにたつけふり
    をちこち人のみやはとかめぬ

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15段・23
〔河實〕しのふ山しのひてかよふ道も哉
    人の心のおくも見るへく
〔通具〕しのふやましのひてかよふみちもかな
    人のこゝろのおくもみるへく
〔大島〕しのふやましのひてかよふみちもかな
    人のこゝろのをくもみるへく

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81段・144
〔河實〕しほかまにいつかきにけむあさなきに
    つりするふねはこゝによらなん
〔通具〕しほかまにいつかきにけむあさなきに
    つりするふねはこゝによらなん
                  [きイ]
〔大島〕しほかまにいつかきにけんあさなせに
          [こゝに]
    つりするふねの心よらなん

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6段・7
〔河實〕しらたまかなにそと人のとひし時
    つゆとこたへてきえなましものを
〔通具〕しらたまとなにそと人のとひし時
    つゆとこたへてけなましものを
〔大島〕しらたまかなにそと人のとひしとき
    つゆとこたえてけなまし物を

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105段・181
〔河實〕白露はけなはけなゝんきえすとて
    たまにぬくへき人もあらしを
〔通具〕しらつゆはけなはけなゝむきえすとて
    たまにぬくへき人もあらしを
〔大島〕しらつゆはけなはけなゝんきえすとて
    たまにぬくへき人もあらしを

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99段・175
〔河實〕しるしらぬなにかあやなくわきていはん
    おもひのみこそしるへなりけれ
〔通具〕しるしらぬなにかあやなくわきていはむ
    おもひのみこそしるへなりけれ
〔大島〕しるしらすなにかあやなくわきていはん
    おもひのみこそしるへなりけれ

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112段・193
〔河實〕すまのあまのしほやく煙風をいたみ
    おもはぬ方にたなひきにけり
〔通具〕すまのあまのしほやくけふり風をいたみ
    おもはぬかたにたなひきにけり
〔大島〕すまのあまのしほやくけふり風をいたみ
    思はぬかたにたなひきにけり

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117段・越後2・小式8
〔越後〕住吉のきしのひめまつ人ならは
    いくよかへしとゝはまし物を
〔小式〕すみよしのきしのひめまつ人ならは
    いくよかへしとゝはまし物を

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59段・107
〔河實〕すみわひぬ今はかきりと山さとに
    身をかくすへきやともとめてん
〔通具〕すみわひぬいまはかきりとやまさとに
    みをかくすへきやともとめてむ
〔大島〕すみわひぬいまはかきりと山さとに
    身をかくすへきやともとめてん

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9段・11
〔河實〕するかなるうつの山へのうつゝにも
    ゆめにも人にあはぬなりけり
〔通具〕するかなるうつのやまへのうつゝにも
    ゆめにも人はあはぬなりけり
〔大島〕するかなるうつの山へのうつゝにも
    ゆめにも人にあはぬころかな
〔小式〕するかなるうつみの山のうつゝにも
    ゆめにも人にあはぬなりけり

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75段・136
〔河實〕袖ぬれてあまのかりほすわたつうみの
    見るをあふにてやまむとやする
〔通具〕そてぬれてあまのかりほすわたつうみの
    みるをあふにてやまむとやする
〔大島〕そてぬれてあまのかりほすわたつうみの
    みるをあふにてやまんとやする

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102段・178
〔河實〕そむくとて雲にはのらぬ物なれと
    㔺のうきことそよそになるてふ
〔通具〕そむくとてくもにはのらぬものなれと
    よのうきことそよそになるてふ
〔大島〕そむくとて雲にはのらぬ物なれと
    世のうき事のよそになるらん

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61段・110
〔河實〕そめ河をわたらむ人のいかてかは
    色になるてふことのなからん
〔通具〕そめかはをわたらん人のいかてかは
    いろになるてふことのなからん
〔大島〕そめかはをわたらむ人のいかてかは
    いろになるてふことのなからん

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【た行】

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36段・70
〔河實〕谷せはみ峯まてはへる玉かつら
    たえむと人にわかおもはなくに
〔通具〕たにせはみゝねまてはへるたまかつら
    たえむと人にわかおもはなくに
〔大島〕たにせはみみねまてはへるたまかつら
    たえむと人にわかおもはなくに
〔大島〕たにせはみゝねへにはへるたまかつら
    たえてしあらすとしにこすとも
〔小式〕たにせはみゝねまてはへるあをつゝら
    たえんと人にわれ思はなくに

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118段・200
〔河實〕玉かつらはふ木あまたになりぬれは
    たえぬ心のうれしけもなし
〔通具〕たまかつらはふきあまたになりぬれは
    たえぬ心のうれしけもなし
〔大島〕たまかつらはふきあまたになりぬれは
    たえぬことのはうれしけもなし

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35段・69
〔河實〕玉のをゝあはおによりてむすへれは
    たえてのゝちもあはむとそ思
〔通具〕たまのをゝあわをによりてむすへれは
    たえてのゝちもあはんとそおもふ
〔大島〕たまのをゝあはせによりてむすへれは
   [たえイ]
    あひてのゝちもあはんとそ思ふ

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94段・169
〔河實〕千ゝの秋ひとつの春にむかはめや
    もみちも花もともにこそちれ
〔通具〕ちゝのあきひとつのはるにむかはめや
    もみちもはなもともにこそちれ
〔大島〕ちゝのはるひとつの秋にまさらめや
    もみちもはなもともにこそちれ

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71段・130
〔河實〕ちはやふる神のいかきもこえぬへし
    大宮人の見まくほしさに
〔通具〕ちはやふる神のいかきもこえぬへし
    おほみや人のみまくほしさに
〔大島〕ちはやふる神のいかきもこえぬへし
    おほみや人のみまくほしさに
〔小式〕ちはやふる神のいかきもこえぬへし
    おほみや人のみまくほしさに

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106段・182
〔河實〕ちはやふる神㔺もきかすたつた河
    からくれなゐに水くゝるとは
〔通具〕ちはやふる神よもきかすたつた川
    からくれなゐにみつくゝるとは
〔大島〕ちはやふる神よもしらすたつたかは
    からくれなゐにみつくゝるとは

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82段・146
〔河實〕ちれはこそいとゝさくらはめてたけれ
    うき㔺になにかひさしかるへき
〔通具〕ちれはこそいとゝさくらはめてたけれ
    うきよになにかひさしかるへき
〔大島〕ちれはこそいとゝさくらはめてたけれ
    うきよになにかひさしかるへき

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小式16
〔小式〕つきしあれはあらはんこともしらすして
    ねてくるわれを人やみつらん

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4段・5
〔河實〕月やあらぬ春や昔のはるならぬ
    わか身ひとつはもとの身にして
〔通具〕月やあらぬはるやむかしのはるならぬ
    我みひとつはもとの身にして
〔大島〕月やあらぬ春やむかしのはるならぬ
    我身ひとつはもとのみにして

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23段・47
〔河實〕つゝゐつのゐつゝにかけしまろかたけ
    すきにけらしないも見さるまに
〔通具〕つゝゐつの井つゝにかけしまろかたけ
    すきにけらしもいも見さるまに
〔大島〕つゝゐつのゐつゝにかけしまろかたけ
    すきにけらしもいもみさるまに

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31段・64
〔河實〕つみもなき人をうけへは忘草
    をのかうへにそおふといふなる
〔通具〕つみもなき人をうけへはわすれくさ
    おのかうへにそおふといふなる
〔大島〕つみもなき人をうけよやわすれくさ
    をのかうへにそをふといふなる

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107段・183
〔河實〕つれ\/のなかめにまさる淚河
    そてのみひちてあふよしもなし
〔通具〕つれ\/のなかめにまさるなみたかは
    そてのみひちてあふよしもなし
〔大島〕つれ\/のなかめにまさるなみたかは
    そてのみひちてあふよしもなし

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125段・209
〔河實〕つゐにゆくみちとはかねてきゝしかと
    きのふけふとはおもはさりしを
〔通具〕つゐにゆくみちとはかねてきゝしかと
    きのふけふとはおもはさりしを
〔大島〕つひにゆくみちとはかねてきゝしかと
    きのふけふとは思はさりしを

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16段・24
〔河實〕手をゝりてあひ見し事をかそふれは
    とおといひつゝよつはへにけり
〔通具〕てをゝりてあひみしことをかそふれは
    とをといひつゝよつとはへにけり
〔大島〕てをゝりてへにけるとしをかそふれは
    とをといひつゝよつはへにけり

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9段・12
〔河實〕時しらぬ山はふしのねいつとてか
    かのこまたらにゆきのふるらん
〔通具〕ときしらぬ山はふしのねいつとて□
    かのこまたらにゆきのふるらん
〔大島〕ときしらぬ山はふしのねいつとてか
    かのこまたらに雪のふるらん

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16段・25
〔河實〕年たにもとおとてよつはへにけるを
    いくたひきみをたのみきぬらん
〔通具〕としたにもとをとてよつはへにけるを
    いくたひきみをたのみきぬらん
〔大島〕としたにもとをとてよつはへにけるを
    いくたひきみをたのみきぬらん

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123段・206
〔河實〕年をへてすみこしさとをいてゝいなは
    いとゝ深草野とやなりなん
〔通具〕としをへてすみこしさとをいてゝいなは
    いとゝふかくさのとやなりなむ
〔大島〕としをへてすみこしさとをいてゝいなは
    いとゝふかくさのとやなりなん

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13段・19
〔河實〕とへはいふとはねはうらむゝさしあふみ
    かゝるおりにやひとはしぬらん
〔通具〕とへはいふとはねはうらむゝさしあふみ
    かゝるおりにや人はしぬらん
〔大島〕とへはいふとはねはうらむゝさしあふみ
    かゝるをりにや人はしぬらん

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64段・117
〔河實〕とりとめぬ風にはありとも玉すたれ
    たかゆるさはかひまもとむへき
〔通具〕とりとめぬ風にはありともたますたれ
    たかゆるさはかひまもとむへき
〔大島〕とりこめぬ風にはありともたますたれ
    たかゆるさはかひまもとむへき

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50段・92
〔河實〕鳥のこをとをつゝとをはかさぬとも
    おもはぬ人をおもふものかは
〔通具〕とりのこをとをつゝとをはかさぬとも
    おもはぬ人をおもふものかは
〔大島〕とりのこをとをつゝとをはかさぬとも
    おもはぬ人を思ふものかは